マシューさんとの不思議な出会いに車の中は興奮した空気に包まれていた。いったいなんなんだろう、これは。
なにかに呼ばれている感じがする。茂三郎さんの粋な采配なのか。そうこうしているうちに船は生名島に到着する。
ここから佐島までは目と鼻のさきだ。
とりあえずひと呼吸。
佐島の見える埠頭でたろうさんが車を停めた。
ついに来た。
スティーブさんが感慨深げに島を眺める。綺麗な海、島、橋、空。なんども、深呼吸をするように島を見つめる。